チーム内の低劣人間をデリートせよ クソ野郎撲滅法 ロバート I サットン PanRolling社
小生がこの本を手にしたのは、ある特定の人を想定して、その人に対する対処法をどうすべきか考えていたためだった。その人のことを、「阿保」と陰で呼んでいたが、今後は「クソ野郎」へ変更することとする。
本書では卑劣漢のことを「クソ野郎:asshole」と記載され、そのクソ野郎が如何に組織のパフォーマンスを低下させるか述べている。ネガティヴな気分はポジティブな気分の5倍も影響がある。
クソ野郎の定義は以下である。
- その人物と話した後、標的になった側が萎縮し、侮辱されたと感じ、やる気を吸い取られるか、あるいは見くびられたように感じるか。特に、標的自身が自分のことをダメ人間だと思い込んでしまったかどうか。
- その人物が自分より立場が上の人間にではなく、下の人間に狙いを定めているかどうか。
定義1に関しては、小生は割と強い自己肯定感を持っているので、自分のことをダメ人間と思ってしまうことはない。(もちろん、ダメな部分が多いことは認識している)ただ、やる気を吸い取られ、他のダメージを受けている部署の人々を見て、どうすることもできない自分に不甲斐なさを感じることはある。
定義2に関しては、そのまま当てはまる、卑怯な奴である。
クソ野郎がいることによる、負の側面は
- 腐ったミカンのように周りに伝染していくこと
- 化物のように、周りを支配し、不信感が広がっていく。
- クソ野郎の引き起こした後始末のために、多大な労力、時間、経費がかかる。
- 直接の被害者だけでなく、その被害を目撃した人も、助けなかった自責の念でパフォーマンスが低下する。
- 課題解決に向けた自発的努力よりも、どのように怒られずに済むかに焦点を当てて行動するようになる。
これだけ、組織に悪影響を及ぼす「クソ野郎」を撲滅するにはどうすれば良いのだろうか?
- 嫌なやつ0を職場の目標にし、雇用と解雇の基準に組み入れる。(最後に抵抗するよりも、最初に抵抗する方が容易である)
- 雇用面接の際に、地位の低い人から高い人まで参加させる。
- 従業員だけではなく、顧客やクライアントにも適応する。
- 職場の収入格差を減らす。
- 直ちに排除する。排除できなくても、権力や昇進を与えてはいけない。
「クソ野郎」を撲滅しようにも、完全に0にできない場合もある。家庭のためにも仕事を辞めることができず、転職も難しい場合だ。その時には
- 急流でボートから落ちた場合のラフティングの作法に従い、ライフジャケットに身を任せて、足を伸ばして浮かんでおく
- 怒りは自分自身に向けられている訳ではなく、「クソ野郎」に問題があると認識する。
- 相手をコントロールするのは困難。こちら側に自分の感情をコントロールする権利があることを忘れずに。
- 怒りに対し、怒りで応戦しない。相手のペースに巻き込まれてしまう。小声で、ゆっくりと応戦する。
小生は、「クソ野郎」と対峙する時には、1、3、4の方法を使用し、給料が下がろうとも、会議にはなるべく出ずに顔を合わせない方針とした。
注意しなければならないのは、誰でも「クソ野郎」になる可能性があるということだ。そのために大事なことは
- 自分が正しいという前提で戦うこと、そして自分が間違っているという前提で耳を傾けること
- 意見に異議を唱えても良いが、人格を否定してはいけない。
- すぐに「クソ野郎」と決めつけてはいけない。
これだけ負の側面がある、「クソ野郎」にも良い点がある。かと言って「クソ野郎」を正当化するものでもないし、「クソ野郎」が必要な訳でもない。学ぶべき点があるということだ。
- あのようにはなりたくないと、その他のメンバーの襟が正される。
- スティーブ・ジョブスは最悪の「クソ野郎」だった。
これだけ色々考察したが、経営者が「クソ野郎」だった時の対応は二種類しかない。立ち去るか、ライフジャケット方式かだ。立ち去るとしても、そこで働いている従業員は仕事のできる同士なので、経営者に少しでも、自分が「クソ野郎」なんだよということを気付くような働きかけをしたい。「クソ野郎」が自身の「クソ野郎」度合いに気付く可能性は低くても、圧倒的な証拠をを提示することで気付く可能性もある。大変めんどくさい作業だけれども。
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