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裏道を行け ディストピア世界をHACKする 橘玲 講談社現代新書

  橘さんの著作にしては、引用が冗長で途中は読み飛ばした。特に恋愛のところでは、GAMEの内容が延々と続くので、それを一部読んだことのある小生のようなものにはおすすめできない。あと、金融のところでは橘節が見られるけど、難解であり、小生にとっては理解できないところがあった。(つまり橘さん的には、小生は金融的にハックできてないことになるだろう)  本書では、ルールを破って普通の人の上をいくことをハックと定義している。現代は知識社会が高度化し、仕事で要求される知識スペックが上がっている。そのため多くの人が、人生をハックできずに底辺を彷徨う結果となっている。本書のギャンブル依存に関する考察が面白かったので、下記にまとめてみた。  ギャンブル依存の人は、時々儲けることが快感でやめられないと思っていたが、実は儲けようと思ってギャンブルをやっているわけではないという。時には、楽しみを求めてすらない場合もあると。ギャンブル中は全てを忘れてゾーンに入ることが目的なのだ。解決できない問題を抱えた人々の避難場所になっている。ギャンブルをさせる側も、それらのことを知っており、巧妙な手口を使っている。スロットのボタンを押させることで、その場をコントロールしているかのような錯覚を起こさせるのだ。人生をコントロールできない人々にとって、このコントロール感は、時間を忘れて没入できるらしい。また、大損させることなく、少しずつ損をさせることで、ギャンブルを持続可能な状態にしているのだ。(ギャンブルのSDGs)。アメリカはラスベガスをはじめとして、ギャンブル天国と考えられているが、実は日本の方が、パチンコ、スロットの台数を加味するとアメリカの4倍近く多い、ギャンブル天国なのだ。

Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代 三笠書房

  今までの成功とされるのは、「出世の階段を登ることによって、富と地位を獲得すること」であった。そのため、勉強し、良い学校を卒業し、良い就職先につくことが良いこととされてきた。しかし、良い学校を出たとしても良い就職先につくことが出来る訳ではなく、良い就職先とされていた所が消滅することも珍しいことではなくなった。それはつまり、明確な定員が決まった目的地に、より速く、コースから逸れずに如何に到達するかという、今までの標準化されたやり方では通用しなくなった事を意味し、そのためのノウハウも今では通用しなくなったのである。もちろんこの方法で、成功にたどり着いた人々もいるが。  では、新しい時代の成功とは何だろうか?それが、本書に登場する数々のDark Horse達が述べているように、「充足感の追求」という決断を行う事である。実は、この「充足感の追求」は、アメリカ独立宣言にも記載され、長い歴史があるが今までは蔑ろにされてきた。まず、お決まりの「成功とされるもの」を手に入れてから充足を得ようとしてきたのだ。例えば、猛烈に働いて、定年後に悠々自適の暮らしを行うような。しかし、定年クライシスと言われるように、会社を辞めれば実は何者でもなかった事実に唖然とし、何も充足感が得られない事からも、成功の後の充足という法則は現代には適していない事がわかる。  充足感を追求するにはどうしたらいいのだろうか?それは、IQのような標準化された指標ではなく、ひたすらに自分と向き合い、自分が何を行っている時に充足感が得られるのか体感することが重要なのだ。子供はひたすらに自分のやりたい事をやる。個人の充足感など考えもせずに。それが分からなくなった大人は、とにかく何をしている時に自分に充足感が得られるのか選択し試行錯誤し続けることであり、目標地も持たず、ただひたすらに選択し続ける事なのだ。そうすることにより、充足感を持った最高の自分になる事ができる。 https://www.mikasashobo.co.jp/c/books/?id=100580700